熱源設備とは?用途や種類・耐用年数・ZEBとの関係を解説

ビルや工場の空調、給湯、生産工程を支える熱源設備は、エネルギー消費量や運用コストに大きく関わります。しかし、チラーや冷凍機、ボイラーなどの違いが分かりにくく、設備選定や更新時期の判断に迷う担当者も少なくありません。

当記事では、熱源設備とは何かを起点に、主な用途と種類、耐用年数、ZEBとの関係、管理・運用のポイントを解説します。施設の省エネ化や設備更新を検討する際の基礎知識としてご活用ください。

 

1. 熱源設備とは

熱源設備とは、空調機や給湯設備、生産設備が必要とする冷水・温水・蒸気などを作る設備です。建物内の熱負荷を処理する中心機器で、代表例は冷凍機やボイラーです。中央熱源方式では熱源機を機械室に集約し、ポンプや配管で各所へ冷温水などを搬送します。広い意味では、冷却塔、冷却水ポンプ、給水設備といった付属設備も構成要素です。

熱源設備は、熱を運ぶ「熱搬送設備」や、室内の空気を調整する「空調機設備」と連携して機能します。そのため、熱源機だけでなく、ポンプや制御を含むシステム全体の効率を見ることが大切です。

 

1-1. 熱源設備の用途

主な用途は、ビルや商業施設の冷暖房、ホテル・病院・介護施設の給湯です。工場では、製造装置の冷却、原料や洗浄水の加熱、乾燥、殺菌などにも使われます。

設備選定では、必要な温度帯、負荷の変動、稼働時間、設置スペースの確認が必要です。利用できるエネルギーの種類や燃料供給の安定性、停止時の影響も整理すると、施設に適した方式を選びやすくなります。

 

2. 熱源設備の5つの種類

熱源設備には、目的や利用するエネルギーに応じて複数の種類があります。ここでは、代表的な設備を5つに分けて解説します。

なお、チラーと冷凍機は呼び方が重なる場合があり、冷却塔は熱源機を支える付属設備です。実際の選定では、単体ではなくシステム全体の構成を確認しましょう。施設用途、熱需要、電力契約、利用できる排熱の有無によって適性は変わります。

 

2-1. チラー

チラーは、水や不凍液などの循環液を冷却し、機種によっては加熱も行って温度を一定に保つ装置です。圧縮式チラーでは、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器を使って熱を移動させます。生成した冷温水を空調機や製造設備へ送り、ビル空調、工作機械、食品、医療、研究設備などで利用します。

主な冷却方式は空冷式と水冷式です。空冷式は屋外空気へ放熱するため構成を簡素化しやすく、水冷式は冷却塔を併用します。水冷式は大きな負荷に対応しやすい一方、水質管理や付属設備の保守が必要です。

複数台を組み合わせれば、負荷に応じた台数制御ができ、予備機も確保できます。

 

2-2. 冷凍機・吸収式冷温水機

冷凍機は、冷媒の蒸発時に周囲の熱を奪う性質を利用し、低温を作る装置の総称です。圧縮式冷凍機では、蒸発、圧縮、凝縮、膨張のサイクルを繰り返します。ターボ冷凍機やスクリュー冷凍機などがあり、主な用途は大規模空調や工場の冷却工程です。

吸収式冷温水機は、圧縮機の代わりに吸収液と熱を使って冷媒を循環させます。水を冷媒、臭化リチウム水溶液を吸収液とする方式が代表的です。ガス、蒸気、排熱などを活用でき、電力需要を抑えやすい点が特徴です。夏場の電力ピーク対策や、コージェネレーションの排熱利用にも向きます。一方、多くの機種で冷却塔が必要となるため、設置面積や保守条件も確認しなければなりません。

 

2-3. 冷却塔(クーリングタワー)

冷却塔は、水冷式冷凍機などで温度が上がった冷却水を冷やし、再循環させる設備です。水の一部が蒸発するときに周囲から熱を奪う「気化熱」を主に利用します。冷却塔自体が冷水を作る熱源機というより、凝縮器から受け取った熱を外気へ放出する役割を担います。

開放式は水と外気を直接接触させるため冷却効率が高く、比較的コンパクトです。ただし、粉じんが入りやすく、水質や衛生の管理が欠かせません。

密閉式は循環水をコイル内に通すため、汚れを抑えやすい方式です。ファン、散水装置、充填材の点検も安定運転には欠かせません。

 

2-4. ボイラー

ボイラーは、水や熱媒を燃焼ガスや電気で加熱し、蒸気または温水を供給する装置です。建物の暖房や給湯に加え、工場の乾燥、洗浄、殺菌、蒸煮など、幅広い用途があります。

熱源には、ガス、油、電気、木質燃料などがあり、必要な温度や圧力に応じて方式を選びます。設備容量だけでなく、燃料価格と供給の安定性、排ガス、灰処理、設置スペースも重要な比較項目です。

対象となる規模や仕様によって、資格者の配置や検査などの法令対応も異なります。

 

2-5. ヒートポンプ

ヒートポンプは、空気、水、地中、排熱などから熱をくみ上げ、冷媒を介して必要な場所へ移す設備です。投入した電気をそのまま熱へ変えるのではなく、周囲の熱を移動させるため、高い省エネ性が期待できます。機種によっては運転方向を切り替えられ、冷房と暖房の両方に対応可能です。

空調や給湯のほか、工場の洗浄・乾燥などにも適しています。低温排熱を回収できれば、捨てていた熱の再利用も可能です。ただし、外気温や熱源温度、必要な供給温度によって効率は変わります。

高温の蒸気を必要とする施設や、ピーク負荷への対応が必要な場合は、ボイラーとの併用も選択肢です。

 

3. 熱源設備の耐用年数

熱源設備の法定耐用年数は一律ではなく、税務上の資産区分や用途で変わります。建物附属設備の「冷房、暖房、通風又はボイラー設備」に該当する場合、冷凍機の出力が22kW以下の冷暖房設備は13年、その他は15年です。別区分となるケースもあるため、税務署や税理士へ確認しましょう。

法定耐用年数は減価償却の基準で、実際の使用限界とは別です。環境省によると、空調設備の更新は約20年に一度が1つの目安です。

ただし、稼働時間や保守状況、水質、設置環境で劣化速度は変わります。故障の増加、効率低下、腐食・漏れ、部品供給の終了が見られたら、更新を検討してください。点検記録と修繕履歴も判断材料にしましょう。

出典:環境省「省エネ改修とは」

 

4. 熱源設備とZEBの関係

ZEBは、快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギー収支をゼロにすることを目指した建物です。まず断熱や日射遮蔽で熱負荷を減らし、その上で高効率な熱源設備と適切な制御を導入します。

空調は建物のエネルギー消費に占める割合が大きいため、熱源設備の効率化はZEB達成の重要な要素です。

選定時は定格性能だけでなく、年間の負荷変動や部分負荷時の効率も確認します。高効率機器、ポンプの変流量制御、排熱回収、BEMSによる運転最適化を組み合わせることが、継続的な省エネのポイントです。

出典:環境省「ZEBの定義」

 

5. 熱源設備の管理・運用のポイント

熱源設備は、安全管理、水質管理、予防保全の3点を軸に運用します。設備の種類、能力、圧力、冷媒に応じて適用法令を確認し、必要な検査、資格者の選任、記録保存を徹底してください。

フロン類を冷媒として使用する業務用冷凍空調機器では、フロン類の漏えい防止や廃棄時の適正回収も必要です。

冷却塔やボイラーなど水を使う設備では、方式や水質に応じて、水質測定、濃縮管理、ブロー、薬品処理、清掃を行います。スケールは熱交換効率を低下させ、腐食は漏水や停止につながるためです。

出入口温度、流量、圧力、電力・燃料使用量、異音や振動も定期的に記録しましょう。設計値や過去データとの差を追えば、劣化や運転の無駄を早期に発見できます。故障後の修理だけでなく、部品交換や洗浄を先回りする予防保全が重要です。

ボイラーや暖房機など製品の詳細、お見積もり、納期、
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まとめ

熱源設備は、冷暖房や給湯、生産工程に必要な冷温水・蒸気を供給します。更新時は、法定耐用年数だけでなく、劣化状態や負荷特性、燃料条件、保守性を総合的に判断しましょう。ZEB化には、負荷削減と運転制御も欠かせません。

蒸気や温水を多く使う施設では、イクロスのバイオマスボイラも選択肢です。木質チップや木質ペレットなどに対応し、燃焼テスト、現場調査、納品後の自社メンテナンスも行っています。

熱源更新の際に用途に合う蒸気・温水ボイラに迷われた際は、イクロスへお気軽にご相談ください。

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