化石燃料の代替燃料として用いることで大気汚染の原因である排気ガスやダイオキシンを抑制することができる、それが固形燃料の一つであるRPF(Refuse Paper & Plastic Fuel)です。
RPFは産業系廃棄物のうち主に古紙と廃プラスチックを原料とした高熱量の固形燃料であり、エネルギーを輸入に頼っている日本にとって重要な資源です。相場が大きく変動する化石燃料とは違い、RPFは比較的安定かつ低価格で調達可能です。石炭と同等の熱量を持つため、製紙業界やセメント業界等では広く導入されている燃料となります。
RPFの特徴
RPFは小型バイオマスボイラからプラントまで対応可能な汎用性の高い固形燃料です。成分により3段階の品質等級はありますがサイズや発熱量による区分はなく、発熱量は4500kcal/kg以上で平均5000kcal~6000kcal/kgとなっており、また直径10mm未満のものから40mmを超えるものまで実に様々な種類があります。一般社団法人日本RPF工業会がまとめたデータによりますと、RPFの平均値はそれぞれ、直径27.4mm、高位発熱量5971kcal/kg以上、プラスチック混合割合60~70%となっています。
RPF発電
2012年7月に施行されたFIT法(固定価格買取制度)により、国内のバイオマス発電所は大幅に増加しました。売電価格の高い木質バイオマスを用いた発電が主流となっていますが、燃料にRPFを用いて発電を行うRPF発電も今後はさらに増加するであろうと予測されます。発電利用後の燃焼ガスを乾燥や給湯に用いるコジェネレーションを行うことで、さらに無駄なくエネルギー利用が可能となります。
RPF発電のメリットは主に以下の通りです。
- 本来は廃棄物として処分されるものを燃料として活用するため環境に優しい。
- 廃棄物由来の原料から燃料を選別するため非常に安価で、品質も安定している。
- 原油価格に大きく左右される化石燃料に比べ、RPFの価格は安定している。
RPF発電による環境に優しいエネルギー
2014年の国内発電のうち、再生可能エネルギーが占める割合は3.2%でした。震災前の2009年の1.1%に比べると多少は増えていますが、それでも微々たる数字です。環境保全の最先端国でもあるデンマークでは、同2014年の再生エネルギーの割合が56%にもなります。環境汚染を抑制するためにも、RPF発電のような環境に配慮した次世代の発電が求められているのではないでしょうか。